地味子の秘密*番外編*

“力”が強すぎるあまり、周りから恐れられ……“化け物”扱いされるように―――。




次第に杏樹からは感情が消え、家に閉じこもるようになった


日中……一歩も外に出ない。


杏樹の遊び相手は、夜中に動き出す雑鬼達のみ。



だが……杏樹は本当に笑わなくなった。




感情を取り戻すため、俺達家族はあらゆることを杏樹にさせてみた。




勉強…書道…華道…茶道…ピアノ。

“力”をコントロールするため、陰陽師の修業。




杏樹はサラっと習得していくが、感情は戻らない。



妻の樹里は、毎晩眠れない日々が続き…

親父も困り果てていた。






そんな時―――



ある会社のパーティーに、出なければいけなくなった。