地味子の秘密*番外編*

数分後。


「あの……」


さっきから、これしか言わない。

ずっと『あの……』を繰り返している。

Tシャツに裾を握りしめていた。


「おい、茅那。話がねーんなら帰れ」


そう言って、ベッドから降りようとした瞬間。


――ギシッ 



は……? 何やってんだコイツ。


あまりに突然のことで、声が出なかった。




なぜなら、茅那がソファーから立ち上がり、ベッドにいた俺に正面から抱きついてきたから。


足をベッドにM字に開いて座り、俺の胸に顔をうずめている。



ふたり分の重みに、スプリングがきしんだ。