そばに置いていたボードを手に取り、書き込んだ。


『京都、行きたい。一緒に行ってくれる?』


それをヤツに見せると、笑顔で頷かれる。


やったぁああ~!


喜びを表すように、ギュッと抱きついた。



「はぁ……この天然娘。俺の気も知らねーで」


なんかブツブツ言っているけど、京都にいっしょに行ける喜びが大きい。


ばあちゃんに、この声が出ない状態で会うのは……心配されそうだけど。


大丈夫でしょ。

この閻魔大王様が一緒だから。


「じゃあ、ばあちゃんに会いに行くか」


ーーコックン!

大きく頷いて、笑みを漏らした。


そうして、1週間後。

あたしたちは、ばあちゃんの住む京都へと向かったんだ。


その日が……。

陸にとっても、あたしにとっても、

待ち望んでいた運命の日になるとは、思ってもみなかったんだ。





続きは、⑩の*続章*をご覧ください。

――END――