地味子の秘密*番外編*

絶対に、彼は受け取らない。

繭ちゃんのは受け取っていたけど、私のは無理だってわかっている。

それでも、このチョコを渡しに行くことを実行できたことに意味がある気がするの。

気持ちを伝えることは、大事だって思うんだ。

うん、私頑張ったよね? 自己満足だけど、女嫌いの彼にチョコを差し出すだけで頑張った。



だから、受け取ってもらえないチョコをバックに仕舞おうってしたんだけど。


ーーヒョイッ


「へー……お前が作ったわけ?」


あろうことか、私の手からチョコはなくなり、高瀬くんはチョコを受け取ってくれたんだ。


そして、ゴソゴソという音がしたなって思ったら。


「フーン、うまいな」



まるで、食べたというよう感想が聞こえてきて。

私はパッと顔を上げた。

そこには、私が作ったブラウニーを食べている高瀬くんがいた。


「え?」

「なんだよ、食ったら悪いのか?」

「い、いえっ!」


質問にフルフルと顔を横に振る。

た、食べてる……私が作ったチョコ……。

ボーっと口を開けて、彼の様子を見ていたら。


「おい、欲しいのか」


ーーパクッ

高瀬くんが私の口にブラウニーを入れてきた。

彼の指が、唇にあたる。

だけど、それだけじゃなくて。


「あ、ついた」


彼の指についたブラウニーのかけらをパクッと食べたんだ。

それを理解しただけで、全身が沸騰するくらいに熱くなる。

あ、あたった……ちょっとだけど! でも、ゆ、指なめたっ!!

か、間接……キス?