「おろち~ばいば~い」
キャッキャッとチョコを受け取ってもらえたことで、嬉しそうな顔をした繭ちゃんが高瀬くんに手を振る。
そのまま、パタパタと正門の前から消えて行った。
その姿を見送り、再び高瀬くんに視線を戻すと。
「蓮様? あの子は誰?」
「あの子のチョコは貰ってくれるのに! なんで私のは……」
繭ちゃんからチョコを受け取ったことで、さらに女子の皆さんが詰め寄っている。
「ああぁぁぁあーー! うぜぇっ!」
さっきまで、優しい顔だったのに。
すぐに八岐大蛇になってしまった。
そして、スタスタと歩き始める。
あっ……行っちゃうっ!
ずっと立ち止まっていたところから、一歩踏み出した瞬間。
ーーズキンッ!
左足首に鋭い痛みが走った。
「いった……」
思わず、その場でうずくまりたくなる。
なんで? さっきは何ともないって思ったのに。
今頃、腫れてきたとか?
挫いたところを触って確認したいけど、今はロングブーツ履いているからできない。
どうしよう。チョコは渡したい。
でも、こんな足じゃ、今はまともに歩けないよ。
片足で立ち、スタジオでやったように左足をブンブンと振った。
これで痛みを紛らわそう。
そうやって、視線を自分の足から上げた時。
ーーバチッ!!
高瀬くんと視線が重なった。


