高瀬くんは、もう周りに誰もいないというように繭ちゃんと話し始めた。
「どうした? ひとりで来たのか?」
「ううん。あーちゃんとりーくんが連れてきてくれた!」
そう返されて、私はキョロキョロと周りを見渡す。
だけど、近くに杏樹ちゃんたちの姿は見えない。
「どこにいんだ。いねーぞ?」
それは、高瀬くんも思ったみたいで……彼女に質問した。
「あのね、りーくんたち隠れてるの。今日、一度大学来たんだけど女の子たちが恐ろしいことになっているからあーちゃん連れて帰っちゃったの。見つかったら、地獄だから隠れてるんだって」
「あぁ……なるほど。大学内外の女がアイツのところに押し寄せるもんな」
繭ちゃんの説明を理解したのか、高瀬くんは苦笑する。
そ、そんなに滝本くんって人気なんだ。
バレンタインデーに、大学を休みたくなるくらい……。
ニコニコと笑顔で話す繭ちゃんに向けて、高瀬くんのまわりを取り囲む女子の皆さんの表情がゆがんできた。
それを、さらに歪ませる出来事が。
「あ、おろちっ! はいっ!」
「ん?」
小さな手に握られていたブルーのラッピング袋を差し出す。
「なんだこれ」
「本命チョコっ! あーちゃんが作り方教えてくれたの」
「へーサンキュ。ありがたくもらうな」
さっきまで女子の皆さんを蹴散らしていた人と同じとは思えないほど、柔らかい表情で彼女からのチョコを受け取った。
周囲にいる彼女たちの纏うオーラが、氷点下になったのは言うまでもない。
「どうした? ひとりで来たのか?」
「ううん。あーちゃんとりーくんが連れてきてくれた!」
そう返されて、私はキョロキョロと周りを見渡す。
だけど、近くに杏樹ちゃんたちの姿は見えない。
「どこにいんだ。いねーぞ?」
それは、高瀬くんも思ったみたいで……彼女に質問した。
「あのね、りーくんたち隠れてるの。今日、一度大学来たんだけど女の子たちが恐ろしいことになっているからあーちゃん連れて帰っちゃったの。見つかったら、地獄だから隠れてるんだって」
「あぁ……なるほど。大学内外の女がアイツのところに押し寄せるもんな」
繭ちゃんの説明を理解したのか、高瀬くんは苦笑する。
そ、そんなに滝本くんって人気なんだ。
バレンタインデーに、大学を休みたくなるくらい……。
ニコニコと笑顔で話す繭ちゃんに向けて、高瀬くんのまわりを取り囲む女子の皆さんの表情がゆがんできた。
それを、さらに歪ませる出来事が。
「あ、おろちっ! はいっ!」
「ん?」
小さな手に握られていたブルーのラッピング袋を差し出す。
「なんだこれ」
「本命チョコっ! あーちゃんが作り方教えてくれたの」
「へーサンキュ。ありがたくもらうな」
さっきまで女子の皆さんを蹴散らしていた人と同じとは思えないほど、柔らかい表情で彼女からのチョコを受け取った。
周囲にいる彼女たちの纏うオーラが、氷点下になったのは言うまでもない。


