そうして、見せられたものは……。




『陸が大吉だから、ずっと一緒にいたら……あたしの大凶も、少しはマシになって運気上がるよね?』




というもの。



「かもな?」



笑って返すと、また何か書き始めた。




今度はなんだ?


ジッと見ていると、杏は何やら嬉しそうな顔で。




『じゃあ、大好きな閻魔大王様、今年もよろしくお願いします





そう書いたボードを見せてくる。




“大好きな閻魔大王様”



嬉しい言葉に、笑みをこぼした。




「こちらこそ、よろしく」




フッと笑いかけて、杏の頭をくしゃくしゃと撫でる。




杏樹。


いっつも平日や休日も仕事ばっかで、構ってやれることも少ないが……。


今年も1年、楽しく過ごそうな。



そう心に決めて、またふたりで俺の家へと帰った―――……。

ーENDー