頭には、ワンピと同じく、赤い帽子をかぶっている。


完璧、サンタの格好だった。



「これ、俺に見せるために着たのか?」


そう聞くと、恥ずかしそうにコクンと頷く杏。


ヤバイ。カワイすぎるだろ……!
髪は、フワフワと巻かれており……かわいさ倍増だ。
マジで、これが1番嬉しいクリスマスプレゼントかも。



『柚莉と買い物に行った時に見つけて、陸に着て見せろって……』


ボードに書いたモノを見せられて、松沢に心底感謝した。



「おいで?」


ソファーに座ったまま、杏に向かって両手を広げる。

すんなりと、素直に腕の中へ納まる杏。

コートの中は、これを着ていたのか……寒かったよな。



そう思っていると、杏が口パクで何か言う。


『着てよかった?』


もちろん。当たり前だろ。


「最高のプレゼントだ」


フッと微笑みかけて、そう返した。


すると。


『陸、メリークリスマス』

また口パクだが、しっかりとそう言ってくれる。


「メリークリスマス、杏樹」

その言葉を一緒に、もう一度、可愛い彼女を抱きしめた―――。




杏樹。


ずっとこの先も、一緒にクリスマス迎えような?



――END――