その途端、杏の表情が動揺の色を見せる。
は? どうした?
じっと顔を見つめると、一旦フーッと杏が息を吐き、またボードに書き込んだ。
「合図するまで目、閉じてて?」
見せられたものを読み上げると、杏はうなずく。
なんだろ? ろうそくに火でも点けんのか?
素直に目を閉じると、なんだか……ガサゴソと聞こえた。
そして、1分ほどで、トントンと、肩を叩かれる。
いいって合図か?
ゆっくりと、目を開け、視線を上げると。
目の前の光景に、言葉を失う。
なぜなら……。
杏が……胸元と裾に真っ白なファーがついた、真っ赤なミニ丈のベアワンピースを着ていたから。