「いい加減キスくらい慣れてくんない? これ以上のこと、してるだろう?」
「ギャアアアアアア!」
先パイの言葉に、悲鳴を上げる女。
でも、私も悲鳴を上げたかった。
そっか……。
もうそういう仲なんだ……その……キスの先をするような。
なんか……ショック。
本当に、お互いが好きで付き合っているのかも。
このふたりって。
「そ、そういうこと言わないでよ!」
「なんで?」
「ば、バカ~~~!!」
――ポカポカ!
真っ赤な顔をした彼女が、先パイの方を振り返って、胸板を叩く。
「ま、そういうとこが好きなんだけど」
「へ? ……んん!」
あっ……またキスした。
一瞬、ポカンとした彼女を抱き寄せて、唇を重ねる。
その絵は、キレイで……ドラマのワンシーンのようだった。
「杏、好き」
キスした後、先パイが一言。
彼女が、真っ赤な顔を、さらに染めているのはもちろんだったけど、私まで、赤面してくるのが自分でもわかった。
このふたりって……ラブラブじゃない。
だって、先パイの顔を見れば一目瞭然だもの。