午後からも、泣き出す杏を連れて、3件ほどまわり……俺の家に帰って来た。

今は、ふたりでソファーに座っている。

「もう懲りたか?」

聞いても、無言で、何も返さない杏。


「なら、まだ行ってくるか?」

「い、イヤです!!!!」

クスッと笑ってそう言うと、さすがにフルフルと顔を横に振って否定した。

コイツの頭の中には、さっきまで見てきた虫たちが焼き付いているようだ。

ソファーに小さく縮こまって座り、プルプルと震えている。


「懲りたなら、もう無茶すんな。またするようなら、何度でもペットショップには連れて行くから」

「はい、もうしません。っていうか……頭から離れないんだからぁ~!」


シクシクと泣き続ける杏を見て、そろそろお仕置きを終わりにするかと考えた。

十分だろ。

天然娘がこれだけ懲りているんだから、もう無茶はしないはず。


「今日見たんなもん、俺が忘れさせてやるから心配すんな」

「へ……?」

そう言うと、杏は顔を上げて、キョトンとした。

ーートサッ

「え?」

驚いた表情の杏をソファーに押し倒す。


「言ったろ、忘れさせてやるって」

「え……」

「一晩中休みなしでかわいがってやる。覚悟しろよ?」

「ちょっ……待っ」


何かを言う前に、口を優しく塞いだ。

何度も口づけて、杏の目がトロンとしてきた頃---……。

体をソファーから抱き上げ、ベッドへと運ぶ。


その後は、杏が壊れるまで激しく抱き……ペットショップで見たものを忘れられるまで何度も肌を重ねた。






ーENDー