昼休みはどうしようかと思っていたが。

まぁ……大丈夫なようで、ホッとした。

ホントに杏にはダメダメの彼氏だけど、ホワイトデーはまた次にやり直そう。


「杏」

「ん?」


名前を呼ぶと、杏は俺の腕の中から顔を上げた。


「明日は楽しんで来いよ?」

「うん!」


さくらんぼ色をした唇に優しく口づける。


「もうっ……ここ教室だよ?」

「いいじゃん、誰もいねーし」


そう言って、杏の胸元を制服のシャツ越しに撫でた。

う~ん、今日もデカいな。

一度触ると止まらなくなり、撫でて……下から持ち上げてみる。


「杏ちゃん、ヤろっか?」

「バカッ……」


暴言を吐かれるが、杏は俺から逃げたりはしない。


てことは……。


「いただきます」


そう呟いて、杏の口を塞いだ―――。










この時は、まだ明日、あんなことが起きるなんて思ってもみなかった。