地味子の秘密*番外編*

慌てて頭を下げた。


「あのっ…ありがとうございました!」



名前も顔も知らないのに、助けてくれた。

彼が助けてくれなかったら、あの男の子達に流されて、ついて行かなきゃいけなかったと思う。

本当にありがたいよ。




「友達を待っているの?」

「はい」

「僕もなんだ。もう来ても良いのに……何をしているんだか…」



彼が生徒昇降口へ目を向ける。


約束の相手は、私と同じで…まだまだ来ないみたいだった。




私の隣に立っている彼――。


ふと気づいたけど――…


また私が、絡まれないために…はたから見たら、知り合いのように一緒にいてくれている。



口には出さないけど、彼の気遣いが嬉しかった。