地味子の秘密*番外編*

顔をそっちに向ける。

そこには、ひとりの女がいた。

セーラー服で、たぶん同じ中学生くらい。

長い髪をみつ編みにしていて、メガネをかけている。

そのメガネも、今時いるのかっていうくらいに、ダサい瓶底メガネ。

下ろしている前髪が長いから、顔がよく見えない。

俺の学校は、男女ともブレザーだから、他校のヤツだよな。


地味な女。


こういうヤツなんて、俺のような乱れた生活は無縁だろうな。


まさか、この子まで遊んでいたら、さすがに驚く。

俺の学校には、こんなヤツがほとんどいないため、物珍しさでジッと眺めていた。



「【エジプト十字架の秘密】……ないよね」



どうやら女が探しているのは、小説のようだ。

ふいに、俺の目に“エジプト”という文字が飛び込んでくる。

よく見ると、女が呟いたタイトルのものだった。


へぇ~これね……。


本棚から抜き取り、あらすじに目を通す。


うわ……首だけ切断された死体?

あの女、こんな事件のものを読むのか?


確かに、人気作ではあるけど……。

その時。


俺の頭の中に、あることが浮かんだ。

『ちょっとからかってやろう』


今日は遊ぶつもりなんてなかったが、あの地味女をからかおう。


優しく声をかけて、ほしかった本を渡して。

“お礼”は体で支払わせるか。


近くにホテルあったよな?


ムリなら、滝本の系列ホテルでもいい。

この地味子で遊ぼう。