地味子の秘密*番外編*

数日後―――。

今日は、なんとなく遊ぼうとは思っていなかった。


久しぶりに、まっすぐ帰るか。


なんて考えていて、悠と一緒に学校帰りに大型店舗の本屋に寄った。


雑誌のコーナーに行き、パラパラと立ち読みをする。


この頃、姉貴がモデルを本格的に始めていた。

載っているページをめくる。

「咲さん、ホント美人だよね」

そうポツリと隣にいた悠が呟いた。


「黙っていればな。口を開いたら極悪の姉貴だ」

外見はお嬢様だが、中身はドSの女王様だ。

いちいち俺の女遊びにうるさいし。

刃向ったら、得意の蹴りが飛んでくる。

口癖は、『私の言うことが聞けないの?』だからな。


雑誌のコーナーから、文庫本のコーナーへと移動する。

悠は参考書のところへ行くと言って、俺と別れた。

ずらりと、出版社別に並んだ本を眺める。

今日立ち寄ったのは、学校での読書用の文庫を見つけるためだ。


図書館から借りるなんて面倒だし。

部屋の本棚にあるものは、すべて読破している。

それに、ほとんどが経済の勉強のためのものばかり。

小説は少ねーかもな……。

だから、いいものがあったら買おうと思ってきたんだ。


「なんかねーかな……」


ひとり呟きながら、タイトルで気になるもののあらすじを読む。


数冊、こんなことを繰り返していた時だった。



「やっぱりないかぁ……」



重いため息とともに、そんな言葉が近くから聞こえた。