地味子の秘密*番外編*

そんな中原の本音を知っているから、俺は騙されない。

上目遣いなんて、効かねーんだよ。

中原を交わし、自分の席に戻る。


「また、ヤってたのか?」


小声でそう聞いてくるのは、隣の席の幼なじみ。

相澤悠。

警察官僚の家系で、こいつの父親は確か……警視長だったか?


ま、そんなことどーでもいいんだけど。

この学校の生徒の中で唯一俺の本当の性格を知っている。

唯一、信頼できるヤツだ。


「ん。女の方が誘ってきたから」


そう答えると、呆れたというような顔をする悠。


「またか。ほどほどにしとけよ」


そう一言告げられた。

コイツは、俺の女遊びのすべてを知っている。

今に始まったことじゃねーしな。

親父たちも、俺が遊んでいることは知っている。

ただ、教師にまで手を付けていることは知らね―かもしれねーが。

『上手くやれ』としか、親父は言わない。

セックスのテクニックとかじゃなく、仮面がバレないようにしろっていうことだ。

将来に関わることだからな。

俺は、滝本財閥を継ぎたい。

自分の力を試してみたいから―――……。

社長の息子だから、継げば必ず縁談が来る。

親父は『お前が全社員の生活を守るなら、好きな人と結婚しろ』と言う。

でも、そんなヤツなんていない。


女って、全員同じ。

ちょっと優しくして、ニッコリと微笑んで、甘い言葉を囁けば……簡単に脚を開く。

そんなんでヤってきた女なんて、ごまんといた。

俺に媚びて、必死に気に入られようとする。

そんな本心、見え見えすぎて胸糞悪いだけだ。



それに、もうひとつ。

俺が周りに隠していることがある。