レジの中、二人きり。


「朱香ちゃん誕生日何欲しい?」

「重樹最近そればっか。」

「だってさ…。」

「私も自分で考えたんだから自分で考えて下さいー。」



うぅ…。
可愛くない…。

欲しいものをあげたいしなー。
女の子にプレゼントなんてあげたことないし……。
マジで。

何回か聞いたらヒントくらい言うかと思ったら…。
俺より強情なんだから…。



「…何がいいの?」

「何でもいいよ。」

「…だからそれは困る。」

「困ればいい♪」



いつもそう。
可愛いのに可愛くない。

矛盾が生まれる。



「ほんと何でも嬉しいよ。」


―…ドキッ!!!!

とびきりの笑顔。
朱香の笑顔ってズルイ。ほんと。
って言うか、心臓に悪い。



「言わなきゃあげない。」

「えーっ?やだーっ。」



わがままだけど憎めない。
可愛いお姫様。

…姫って……。
俺、ガラじゃないな。



仕方ない………。
頑張って考えるか…。