「朱香?はい、どうぞ。」

「え…?」

やっと探し終わって、渡されたのは色とりどりの棒の束の袋詰め。

「…花火?」

「他に何に見える?やろう?」

重樹はそう言って、しゃがんでロウソクを浜辺に建てる。
それからライターを取り出して火を付けた。

「早くそれ開けて?」

「あ、うん、ごめん。」

慌てて開けて広げる。
どう見ても花火だ。

花火を私の手に持たせて、重樹が火を付けてくれた。

「…きれい。」

「良かった。」

彼は満足そうに笑いながら自分の花火にも火を付けている。



ねぇ?
昨日見れなかったから…?

「…ありがと。」

「ん?どういたしまして。」

重樹はそう言いながらまた満足そうに笑ってた。

夜が暗くて良かったな。

たぶん顔が赤い…。