ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

♪苺side♪

翌朝−…。

あたしはいつものように、学校への道を歩いていた。
高校に入学して2ヶ月…もうすでに通い慣れた道となっていた。


「苺ーおはよう♪」

ポンっとあたしの肩を叩く。

「由紀ちゃん、おはよう♪」

由紀ちゃんこと、中野由紀。涼しげなショートヘアに、身長は160㎝前後。
小学生のころからずっと仲良しで、何でも話せる友達。つまり、あたしの親友。

「苺、昨日は先帰っちゃってごめんね?」
「全然いいよー、黒板消し忘れたあたしが悪いもん」
「ありがと♪…それでね…」

由紀ちゃんが言葉を濁す。
何かあったかな…と頭をよぎらすと一つの答えが浮かび上がった。

「川原くん…?」

あたしが確かめる様にゆっくり言うと、由紀ちゃんはこくこく頷きながら、

「アド交換した…」

と言った。

川原くんは同じクラスの、野球部のお調子者。
由紀ちゃんによく話しかけるし、多分由紀ちゃんが好きなんだろうと思っていた。

昨日も帰ろうとする由紀ちゃんを待っていたようで、あたしは少し気をきかせて1人学校に戻ったのだ。
まぁ、黒板消しを忘れてたのが1番の理由だけど。