わたし達は残りの高校生活、たまに喧嘩をしながらも、順調に付き合って行った。
ベタベタするような、甘い関係ではない。
だけど、一緒に居るのは楽しくて、それなりに上手くやっていた。
高校を卒業しても、この関係は続いて行くと…本当に思っていた。
だけど、気持ちが変わったのは、わたしの方。
大学生活。
授業にサークルにバイト。
思った以上に目まぐるしい毎日。
違う大学に進学した雅人と、会う時間は当たり前の様に減り、
新しい出会いもあった−…。
気持ちの変化を指摘されてしまうのは、時間の問題だった。
「由紀…最近おかしくない?」
真冬の喫茶店。
テーブルには、コーヒーとミルクティー。
「…」
わたしは珍しく黙り込む。
そっと目の前を見ると、野球を止めて伸びた髪…。
姿さえ違えど、告白された時と同じ真剣な目で、雅人はわたしを見ていた。
その表情に、息が詰まるような思いになって、俯いてわたしは口を開いた。



