ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


「ん…?」

言った意味が分からない、そんな顔をする雅人。

「…アドレスっ!」

恥ずかしいと思いながら、声を荒げて言うと、

「マジでっ!?」

両肩を、がしっと捕まれた。

「うん。ちょっと…痛いよ」
「あっ!ごめんっ!」

その時、雅人はとても嬉しそうな顔をして…

その笑顔が初めて、わたしをドキッとさせた。


高校生の恋愛は単純なもので、アドレスを交換したことにより、急速に発展していく。

一度メールで告白されたのだけど、わたしは返事を渋っていた。

そしてそのまま…初めてデートの約束をした。

「お願い!苺付き合って!」
「えぇーっ」
「だって、いきなり二人きりで遊ぶのなんか無理!」

約束したのは夏祭り。

男の子と二人で遊ぶことなんて初めてだし、夜…ということもあって、わたしは苺に付き添いをお願いした。

「しょうがないなぁ…」

優しい苺は、笑顔で承諾してくれた。

苺を連れて来たことで…少しずつ近付いた雅人との関係は、一度壊れることになる。