ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


不思議そうにするお兄ちゃんに、あたし達は笑い合って、

「「内緒♪」」

と、声を合わせた。


きっと、沙季さんとも仲良くなれる。

血の繋がらないお兄ちゃんとあたしが、本当の兄妹のように仲良くなれたみたいに…。



美人で成績優秀、スポーツ万能。
まさに“パーフェクト”って言われて、男女共に憧れられるあたしだけど、

恋愛運は悪いみたいで、

あたしの好きな人は、みんなあたし以外の人を選ぶ。

お父さんも、お兄ちゃんも、幼なじみも…。

だけど、みんな引き換えに、かけがえのないものをくれている。

だから、意味のない恋をしただなんて、思わない。



鐘の鳴る教会。

笑い合い、愛し合う二人。


「おめでとうっ!」

らしくないけど、精一杯大きな声で祝福した。



でも…やっぱり女の子だから、羨ましく思う。


願わくば、

あたしもいつか、あたしだけを愛してくれる人と、

甘い夢を−…。