ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


あたしはもう一度、携帯を耳に当てる…が、もう電話は切られていた。

勘違いかな…?

メグちゃんは、アパレル関連のショップ店員。
一般企業OLのあたしとは違って、日曜日こそ忙しく仕事をしているはず。

まぁ…いっか。

あたしは気にしないことにして、携帯を机の上に置き、そのまま椅子に腰掛けた。

目の前には、散らばった化粧品。

今日は由紀ちゃんとデートだと思って、せっかく急いで支度してたのになぁ…。

鏡を手に取って、自分の顔を見る。

化粧もきちんと出来るようになった。

もうすぐ22歳。
いつも幼く見られるあたしだけど、少しは年相応に見えるかな…?

自分で見ても分からなくて、鏡を置いた。


最近、無意識にカレンダーがよく目に入る。

裕くんが帰って来る日まで、あと1週間…。

待つのは嫌いじゃない。
会えるのを考える時間は、嬉しくて楽しいから。

それに、毎日連絡だってある。


だけど、“永遠の幸せ”を得ようとする人が近くに居ると、どうしても恋しくなってしまう。

早く会いたくなってしまう。


あたしは左手の薬指を見た。

何度も綺麗にしたのに、また黒ずんでしまっているリング。

いつも寂しくなったら、これを見る。

それが、いつの間にか癖になっていた。