ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


「えっ!?今日無理なのっ!?」

『ごめんー、いきなり式の打ち合わせになって』

「もう…しょうがないなぁ」

あたしは片手で携帯を耳に当て、片手で窓を開けた。

目を覚ますように、冷たさを交えた朝の風が撫でる。

空は透き通った青で、日差しが眩しい…

今日もいい天気だ。


「せっかくの休みなのにー」

あたしは拗ねた様に言う。

『ごめんっ!』

「いいよ♪一生に一度だもん、しっかり打ち合わせしておいでよ」

電話の相手は、由紀ちゃん。


あれから…高校生活から…4年が過ぎました。

あたしは短大を卒業し、就職して早2年。

『一度じゃないかもよ?』

電話越しに、縁起でもないことを言う由紀ちゃんは、今春に結婚することになりました。

相手は…大学で知り合った、3つ年上の人。
残念ながら、川原くんとは上手くいかなかったんだよね…。

「そんなこと言うなら、予定通り買物付き合いなさい!」

『えっ…それは…無理』

でも、由紀ちゃんは今、幸せそうだから安心してる。

そんな由紀ちゃんが、少し羨ましいけど。