ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


そっと唇が離れると、
目の前には裕くんの笑顔。

自然とあたしも笑顔になって…

照れたように、二人で笑い合ったー…。


「裕くん…あのね…」

そう、一つ忘れかけていたこと。

ペアリングを貰ったことで、思い出した。

「あたしもね、渡したい物があるんだ…」
「…何?」

不思議そうにあたしを見る裕くんに、にこっと笑って返事した。


渡したい物…。

あたしの机の横に、掛けられている紙袋。

その中には…

あたしが育ててた、イチゴが入ってる。

あたしの代わりに、連れて行ってほしくて…

今朝、ポットに植え替えて、持って来たんだ。

荷物になっちゃうかもしれない。

それでも、近くに置いていてほしい…。


イチゴはあたし-…。

あたしはイチゴ-…。