「苺、隙ありすぎ。指のサイズ計るのも困んなかったし」
裕くんは苦笑する。
あたしはなぜか、恥ずかしくなって赤くなった。
そして、裕くんのリングを握り締める。
隙があるのは…
裕くんの側に居ると、居心地がいいからだよ…。
「これ…あたしから付けていいの…?」
「お願いしてもいいですか?」
裕くんは、優しく微笑む。
「はい…」
あたしは一歩近寄って、裕くんの左手を取った。
ひんやり冷たい手は、
あたしより全然大きくて…
長い指が、規則正しく付いていて…
知らなかった。
あたしをいつも助けてくれる裕くんの手は…
こんなにも綺麗で、大きかったんだ-…。
「裕くん…」
あたしはゆっくりと、リングを薬指に通す。
「あたし…裕くんが大好きです」
ポタッ…
言った瞬間、裕くんの手にあたしの涙が、一粒だけ落ちた。
指輪を交換して、
誓い合う…。
口には出さなかったけど、それはまるで、結婚式みたいだった。



