ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


“eternite”

どういう意味だろう…?

「eternite…フランス語で、永遠って意味」

何も言ってないのに、裕くんはあたしの疑問が分かったみたいに、教えてくれた。

「永遠…」

口にすると、言葉が心のずっとずっと深くに、沈んでいく気がする…。

あたしはリングの“eternite”の部分を、親指で撫でた。

初めて付けたペアリングは、

まだ指に慣れなくて…

でも、嬉しくてしょうがなくて…

それは、恋人のしるし-…。


あれ…?

ふと、あたしは一つの疑問を抱いた。

ペアリングなら、裕くんもしてるはずなのに…何で?

裕くんの左手の薬指にも、右手の薬指にも、どこにもリングの姿はない。

「裕くんのは…?」

気になって、聞いてみる。

「苺が持ってる」

「えっ?あたし持ってな…」

あたしが言い終わる前に、裕くんは指差した。

その場所は…

あたしの…ポケット…?

まさかと思いながら、ポケットの中に手を入れた。

すると…

冷たい物が指に当たる。

え…。

「何で…?」

あたしはそれを見て、声を上げた。


あたしの手の平の中には、

あたしと同じ…

だけど、あたしより大きなリングが-…。