ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

♪苺side♪


やっぱり…届くわけないよね。

あたしは手を伸ばしながら思った。

分かってる…どんなに頑張ったって、届かないことくらい…
自分が一番分かってる。

それでも、必死に手を伸ばしていると…

「えっ…!?」

いきなり視界が高くなって、目指していた距離が縮む。

…裕くんがあたしを、抱き抱えてくれていた。

「…」

降ろしてって言おうとしたのに、言えなかったのは、

気持ちが喉につまって、苦しくなったから。

あたしが困ったとき、いつも助けてくれるよね…。

回された腕の感触…

背中に伝わる温もり…

もうすぐなくなってしまうことを、思い出してしまった…。


あたしはそのまま、黒板を見つめる。

一番上は、もう目の前なのに…

いざ、届くと何を書けばいいのか分からない。

でも早くしなきゃ、裕くんの腕は辛いだろう。

一呼吸置いて、チョークを持った手を、上に上げた。

カツ…カツ…

ゆっくりと…黒板に刻み込むように、たった一言の言葉を書いた。

「…いいよ」

あたしが言うと、裕くんは優しく降ろしてくれた。

視界は元の高さ…。

裕くんを見上げると、黒板に書いた文字をじっと見てて…

ぐいっ

「…っ!!」

あたしは裕くんの腕の中に、引き寄せられた。