ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


「…すごいねっ!」
「……え…」

自分の耳を疑う。

「裕くんすごいねっ!」

笑顔で言う苺。
どうやら自分の耳は、おかしくないらしい。

「…なんで?」

何が“すごい”のか、疑問に思った。

「だって裕くん合格したでしょ?すごいよっ!」


その言葉を聞いて、何だか笑えてきた。

どうしてこの子は、
こんなに無垢なんだろう…。

苺の笑顔に、ほっとする-…。


「あっ、あたしも挑戦したい事があるのっ」

少し駆け足で黒板の前に立った苺は、白のチョークを手に取った。

「一番上に文字、書いてみたかったんだ」

つま先で立って、手を一生懸命に伸ばすけど…
一番上には、届きそうもない。

何を思ったのか、それは唐突な行動…。

確信があるわけじゃないけど、なんとなく俺のためかな…って思ったのは、

気持ちが楽になったから…。


俺は苺の後ろに立って、苺を抱き抱えた。

「えっ…!?」

一瞬戸惑う様子を見せたけど、苺はそのまま、黒板に向かっていた。

相変わらず、

軽くて…

小さい…。


「…いいよ」

何かを書き終えた苺を、俺は降ろすと、

「-…」

黒板に書かれた言葉を見て、湧いて来るような気持ちが、込み上げた。