大学を選んだ理由…。
言ったら、苺は怒るかもしれない。
それでも…正直に言わなきゃ、いけないような気がした。
「苺は、将来なりたいもんとかある?」
「え…」
考えるように黙り込む。
みんな将来の夢とかを追って、進路を選ぶのだろう。
だけど…
「俺…別にそんなんない」
苺はパッとこっちを向く。
「確かに気になる論文とかあったし、出来ればいい大学行きたいとかいう、見栄もあったけど…実際は先生や親にK大薦められて、周りに流されただけかもな」
やりたい事が、あるわけでもなければ…
麗奈みたいに、その場所にこだわるわけでもない…。
「でも…一番大きな理由があるとしたら…」
それは、
「挑戦してみたかったんだ」
決して麗奈みたいに、必ず合格できるレベルじゃなかった。
先生や親が薦めたのも、近くに合格者が居るから“やってみたら”っていう、軽い感じだったんだと思う。
そんな中で“合格したい”って、思った。
自分はどこまでやれるのか、
“挑戦してみたい”って-…。
話をしている間、苺はただ俺を見つめて、じっと聞いていた。
離れる理由は、そんな俺の勝手な気持ち…。
だから、怒っても仕方がないと思った。
でも、苺の口から出た言葉は、とても意外なものだった。



