ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


「…黒板消してたんだよな」

それは、苺と初めて言葉を交わした日のこと…。

思えばあれが、苺との出会いだった。

「手伝ってくれたよね」

苺はこっちを見て笑う。

「俺が来なかったら、ずっとやってた?」
「そんなにバカじゃないよっ!」
今度は頬を膨らます。

初めはただ、“小さいクラスメイト”としか、思ってなかった。

黒板消しを手伝ったのだって、特に意味はない。

だけど、あの日をきっかけに惹かれていったんだ…。

明るい笑顔、

からかうと膨れる顔、

照れると赤くなって、

そして涙-…。

いつの間にか、そんな表情の全てが、愛しくなっていた。


この恋が始まった場所だから、苺と二人でここに来たかったんだ…

……最後に。


「…裕くん」

教室を見つめていた苺が、ゆっくりと口を開く。

「裕くんが…大学選んだ理由って何…?」

「…」

それは今まで苺が、聞くことのなかった質問だった。