ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

☆裕也side☆


苺が…本当に好きだ。

可愛くて、

愛しくて、

仕方がなくてつい、虐めてしまう。

こうやって、苺と過ごしていると、何も変わってない気がした…。

これからも何も変わらないような…。

だけど、ふとフェンスの外が視界に入って、現実を思い出す。

苺を待っている時には、まだ沢山人が居たのに、

校庭にはもう、数人しかいない…。

その中の何人かの手には、
一輪の花と、卒業証書−…。

そうなんだ…
今日でもう……。

「裕くん…?」

少しぼーっとしてしまった俺に、苺が声をかける。

視線を戻して微笑むと、苺は少し赤くなった。

「ちょっと…移動しようか」

屋上の他に、行きたい場所がもう一つあった。

歩き出すと、苺は後ろを追いかけるように付いてくる。

それが本当に犬みたいで、可愛い。

きゅっ

前後に揺られていた腕が、突然動かなくなった。

見ると…

苺が袖を掴んでいた。

普通ならそのまま手を繋ぐのだけど、今日は少し不思議に感じた。