ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


「一番…上」

苺は遠慮がちに答えた。
聞かなくても、それは確かに一番上に付ける星だった。

俺はツリーに手を伸ばす。
俺には、何て事のない高さ。

だけど苺には、
遠い高さなんだろう…。


星を付けて…
ツリーはもう完成って、感じだ。

「付けたよ」

俺は苺の方を向いた。

そして、不意に苺の顔を見てしまった。

「ありがとう」

「−…」

声を失った。

苺があまりにも、無邪気に微笑んだから−…。

止めてくれよ…

止めてくれ…。

さっきは目を逸らされたことに、傷ついたくせに、

今は、目を逸らしてくれた方が良かったと思う…。


だけど、本当に勘弁してくれ…。

そんな笑顔を見せられたら…

抱きしめたくなる−…。