「一番…上」
苺は遠慮がちに答えた。
聞かなくても、それは確かに一番上に付ける星だった。
俺はツリーに手を伸ばす。
俺には、何て事のない高さ。
だけど苺には、
遠い高さなんだろう…。
星を付けて…
ツリーはもう完成って、感じだ。
「付けたよ」
俺は苺の方を向いた。
そして、不意に苺の顔を見てしまった。
「ありがとう」
「−…」
声を失った。
苺があまりにも、無邪気に微笑んだから−…。
止めてくれよ…
止めてくれ…。
さっきは目を逸らされたことに、傷ついたくせに、
今は、目を逸らしてくれた方が良かったと思う…。
だけど、本当に勘弁してくれ…。
そんな笑顔を見せられたら…
抱きしめたくなる−…。



