ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


「い−…」

“苺”そう呼ぼうとして、止めた。

もう彼氏じゃないのに、名前で呼ぶのは、おかしいかもしれないと思ったから。

「…何してんの?」

「えっ…あっ…!」

振り返った苺は、俺の顔を見て驚いた。

少し傷付いたのは…すぐに目を逸らされたから。

苺は自分の掌の中の、オーナメントを見る。

「えっとね…飾り付けしてたんだけど…」

届かないんだよな…。
見てたから、それは分かる。

「どれ?」

俺は苺に近寄って、掌を見る。

「えっ…」

動揺したのか、苺の手はビクンと震えた。

掌にあったのは…
星−…。

俺はそのまま、苺の掌から星のオーナメントを取る。

俺の指が苺の掌に、微かに触れる…。

俺の方が動揺してる。
苺が目の前に居ると思うだけで、緊張して…顔なんか見れない。

「どこ…?」

受け取った後、すぐ苺に背を向けるように、ツリーの方へ向いた。