ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


「ねぇメグちゃん…」

ビクッ…

苺の声にいちいち反応してしまう。
どうにかしてくれ…。

「これ…ツリー?」

苺が見ていたのは、部屋の中にあったモミの木。

「そぉ♪飾りつけしなきゃ…」
「やるっ!やりたいっ!」

苺が手を上げて、跳びはねる。
その様子がかわいくて…つい、顔が笑ってしまった。

焦って顔を苺の方から背けるけど、見られてしまったのだろうか…。
視界の隅に、顔を真っ赤に染める苺が見えた。

「…ねぇメグ!買い物行かなきゃならないんじゃないっ!?」

中野が思い出した様に言う。

「あっ!そうだねぇっ!由紀ちん買い物行こう!」
「うん、荷物重たくなるから…着いてきてよね?」

中野は川原の服を、ちょんと引っ張った。

「大和も着いて来てよねぇ♪」

間は大和の腕を組む。

「あたしは…?」

苺は戸惑いながら聞いた。

「苺ちんはツリーの飾り付けしといてくれるぅ?飾りそこにあるからぁ♪」

間の指差した先には、ダンボール。

「えっ、あ…うん」

疑問を感じつつも、断れない性格の苺は頷く。

中野と間の考えていることなんて、だいたい分かる…。