「ねぇメグちゃん…」
ビクッ…
苺の声にいちいち反応してしまう。
どうにかしてくれ…。
「これ…ツリー?」
苺が見ていたのは、部屋の中にあったモミの木。
「そぉ♪飾りつけしなきゃ…」
「やるっ!やりたいっ!」
苺が手を上げて、跳びはねる。
その様子がかわいくて…つい、顔が笑ってしまった。
焦って顔を苺の方から背けるけど、見られてしまったのだろうか…。
視界の隅に、顔を真っ赤に染める苺が見えた。
「…ねぇメグ!買い物行かなきゃならないんじゃないっ!?」
中野が思い出した様に言う。
「あっ!そうだねぇっ!由紀ちん買い物行こう!」
「うん、荷物重たくなるから…着いてきてよね?」
中野は川原の服を、ちょんと引っ張った。
「大和も着いて来てよねぇ♪」
間は大和の腕を組む。
「あたしは…?」
苺は戸惑いながら聞いた。
「苺ちんはツリーの飾り付けしといてくれるぅ?飾りそこにあるからぁ♪」
間の指差した先には、ダンボール。
「えっ、あ…うん」
疑問を感じつつも、断れない性格の苺は頷く。
中野と間の考えていることなんて、だいたい分かる…。



