そして、後ろから聞こえて来たのは、
楽しそうな笑い声。
どうしてだろう…
一番控えめな声なのに、
一番大きく、はっきりと聞こえる…。
久しぶりに聞く、聞き慣れたその声は、かわいくて…優しくて…
だけど、
すごく悲しくなる…。
苺の声−…。
聞きたくて…でも、聞きたくなくて、目を閉じた。
眠ってしまえば…きっと楽だから…。
「ようこそぉー♪メグの別荘へ♪」
到着するなり、嬉しそうに間が言った。
事前に、大和が言っていたことは嘘になるが、確かに山の中にあって静かな所だ。
あまり大きくはない別荘は、木造で家の中には暖炉もあり、女の子が好みそうな、かわいらしい感じ。
「別荘とか…間さんって金持ち?」
川原が周りを、キョロキョロ見ながら言う。
「まっさかぁ〜。別荘って言っても貸し別荘♪メグん家、毎年クリスマスはここで過ごすんだけどぉ…今年はパパにお願いして、みんなで過ごさせて貰えるようにしたのぉ♪」
それも充分金持ちだと思う…が、口には出さない。



