ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


「ってー…」

大和は頭を摩る。

「馬鹿になったらどうするんだよ!」
「大丈夫、元から馬鹿だから」
「ひでーなっ!」

大和は怒ったような顔をした。

「ひどいのはどっちだよ」
「俺はただ…裕也のことを思って…」
「そーゆーの、余計なお節介」
「…」

大和は口を閉じる。
さすがに言い過ぎだっただろうか…。

「二人ともぉ、何してんの♪」

謝るべきか考えていると、間がひょっこりと現れた。

「ねぇねぇ、みんなでトランプしなぁい?」

間は手に持ったキャラクターもののトランプを、振ってみせる。

「おっ!やるやる!」

大和が立ち上がる。

「大和がメグの誘い乗るなんて、珍しいねぇ?」

間の言う通り。
いつもなら「小学生かよ」とか、間に喧嘩を売るようなことを、言うはずなのに。
やっぱり、怒ったのだろうか。

「西藤くんはぁ?」
「俺、パス」
「えぇ〜っ!」
「裕也なんかほっといて行こー」
大和は、まだ何か言いたそうな間の肩を、後ろから両手で持って、押して行った。

やっぱり怒っているのだろう。

大和が、俺のことを思ってやってくれているのは分かる。

分かるけど…こんなことされても、どうしようもない。