「ってー…」
大和は頭を摩る。
「馬鹿になったらどうするんだよ!」
「大丈夫、元から馬鹿だから」
「ひでーなっ!」
大和は怒ったような顔をした。
「ひどいのはどっちだよ」
「俺はただ…裕也のことを思って…」
「そーゆーの、余計なお節介」
「…」
大和は口を閉じる。
さすがに言い過ぎだっただろうか…。
「二人ともぉ、何してんの♪」
謝るべきか考えていると、間がひょっこりと現れた。
「ねぇねぇ、みんなでトランプしなぁい?」
間は手に持ったキャラクターもののトランプを、振ってみせる。
「おっ!やるやる!」
大和が立ち上がる。
「大和がメグの誘い乗るなんて、珍しいねぇ?」
間の言う通り。
いつもなら「小学生かよ」とか、間に喧嘩を売るようなことを、言うはずなのに。
やっぱり、怒ったのだろうか。
「西藤くんはぁ?」
「俺、パス」
「えぇ〜っ!」
「裕也なんかほっといて行こー」
大和は、まだ何か言いたそうな間の肩を、後ろから両手で持って、押して行った。
やっぱり怒っているのだろう。
大和が、俺のことを思ってやってくれているのは分かる。
分かるけど…こんなことされても、どうしようもない。



