やられた…。
当日、待ち合わせ場所に来て、一番最初にそう思った。
家が近いんだから、待ち合わせ場所なんか決めなくてもいいのに…とは思ったけど、まさかこういうことだろうとは…。
隣には大和。
まぁ、大和と待ち合わせしてたんだから、これは当然のこと。
でも、目の前には全く予想していなかった3人が立っていた。
平然としている中野と、手を振る間と、
そして…
苺−…。
苺もはめられたのだろうか。
俺を見るなり、中野と間に少し怒った様子で、何かを言っている。
俺は一瞬帰ってしまおうかと思ったが、それも大人げないと思い止まり、隣で笑う大和を無言で睨んだ。
「もぉ遅いよぅ、二人ともっ!」
苺との会話は、終わったのだろうか…間が歩み寄る。
中野と苺も、間に続いて近寄る。
「一番遅い奴が、もう一人居るけどね」
足を止めた中野が言った。
もう一人…?
誰だろうかと考えた時…
−……。
不意に苺と目が合った。
だけどすぐに、
苺が先になのか、
俺が先にだったのか、
どちらか共なく、目を逸らした。
苦しい。
苺の顔が見たいのに、見れない…。



