ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

☆裕也side☆


「嫌だ」

俺はきっぱりと断った。

「そんなこと言わずにっ!一生のお願いっ!」

俺の机の前で、両手を合わせるのは大和。

「お前の一生のお願いは、聞き飽きた」
「これこそマジで、一生のお願いだからっ!!」

必死に手を合わせて、頼み込む大和と、断る俺。

そんな様子を、クラスの数人がチラチラ見ていた。

「ってか、何で俺に頼むわけ?」
「…お前がいいんだって!」
「意味不明」
「裕也ぁ…頼むから。俺にクリスマス一人で過ごさせる気かよぉ!?」
「だから、女誘えばいーじゃん」

全くもって、そう思う。
俺を誘う意味が分からない。

大和のお願いっていうのは…

簡単に言えば、クリスマスを共に過ごそうってこと。
しかも、泊まり込みで。

「言っただろ〜フラれたんだって〜」

大和いわく、クリスマスを彼女と過ごそうと別荘を借りた…が、フラれてしまい、一人になるということだった。

大和に“彼女”と、呼べる人が居たか…?と、疑問に思ったけど、面倒だったので、そこは聞き流した。

「いいじゃん、間誘えば」

間はまだ懲りずに、大和の周りをうろついている。

「あっ!あいつはナシっ!!」

大和は声を張り上げる。

「アリでもナシでも俺を誘うな」