ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


「予定あるぅ…?」

黙り込んでしまったせいか、メグちゃんが心配そうに、あたしの顔を見た。

「ううんっ!特にないよ?」

裕くんとは、あのまま…連絡も取っていないし、残念ながら予定なんてなかった。

「やった♪」

由紀ちゃんが何故か喜ぶ。

「何?何?」

話の中身が見えなくて、戸惑う。
そんなあたしを見て、メグちゃんはふふふと笑う。

「苺ちゃんをメグの別荘にご招待〜♪♪」

「へ…?」

別荘…?ご招待…?

「だからぁ、イブにメグの別荘でワイワイやろぉ〜ってこと♪」

あたしは由紀ちゃんを見る。

「うん、メグの言う通り。受験も終わったことだしさ、高校生活の思い出作りって感じで♪」

思い出作り…。

「ダメぇ…?」

メグちゃんが、また心配そうに顔を覗き込む。

「多分、大丈夫」

由紀ちゃん家に、何度か泊まったことあるし、外泊でもあっさり許してくれるだろう。

「ホントぉ!?」

あたしがニコりと笑うと、パァっとメグちゃんの表情は、一気に明るくなった。

「良かったね!」
「うん〜♪」

メグちゃんと由紀ちゃんは顔を見合わせて、笑い合った。

「…?」

少しいつもと違う二人の様子に、疑問を感じたけど、あたしは何も言わなかった。

あの時、聞けばよかったと後悔するのは、

当日のこと−…。