「予定あるぅ…?」
黙り込んでしまったせいか、メグちゃんが心配そうに、あたしの顔を見た。
「ううんっ!特にないよ?」
裕くんとは、あのまま…連絡も取っていないし、残念ながら予定なんてなかった。
「やった♪」
由紀ちゃんが何故か喜ぶ。
「何?何?」
話の中身が見えなくて、戸惑う。
そんなあたしを見て、メグちゃんはふふふと笑う。
「苺ちゃんをメグの別荘にご招待〜♪♪」
「へ…?」
別荘…?ご招待…?
「だからぁ、イブにメグの別荘でワイワイやろぉ〜ってこと♪」
あたしは由紀ちゃんを見る。
「うん、メグの言う通り。受験も終わったことだしさ、高校生活の思い出作りって感じで♪」
思い出作り…。
「ダメぇ…?」
メグちゃんが、また心配そうに顔を覗き込む。
「多分、大丈夫」
由紀ちゃん家に、何度か泊まったことあるし、外泊でもあっさり許してくれるだろう。
「ホントぉ!?」
あたしがニコりと笑うと、パァっとメグちゃんの表情は、一気に明るくなった。
「良かったね!」
「うん〜♪」
メグちゃんと由紀ちゃんは顔を見合わせて、笑い合った。
「…?」
少しいつもと違う二人の様子に、疑問を感じたけど、あたしは何も言わなかった。
あの時、聞けばよかったと後悔するのは、
当日のこと−…。



