ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

♪苺side♪


「苺っ♪」

自分の席に着いて宿題を写していると、由紀ちゃんとメグちゃんが何やら楽しそうにこっちに来た。

「あっ、ちょっと待って」

話があることを察したあたしは、残りを急いで写す。

「由紀ちゃん、ありがとう」
「いいよいいよ♪」

プリントを渡すと、由紀ちゃんはにっこりと笑った。

「…?」

いつもなら、ジュース1本だの貸しだの言ってくるはずなのに…おかしい。
由紀ちゃんをじーっと見る。

「何?」

やっぱり笑顔。

「なんか…いい事あった?」
「別にないよ♪」
「そっか」

何も言ってこないのは、こっちにも好都合だと思い、あたしも笑う。

「で、何かあったんじゃないの?」

あたしが言うと、待ってましたとばかりにメグちゃんが口を開いた。

「苺ちん、今月の24日と25日開いてるぅ?」

今月の…って言うと、

「クリスマス?」
「そっ♪」

由紀ちゃんが頷く。

いつの間にか、そんなに月日は過ぎていた。

クリスマス…去年を思い出さずには、いられない。

一番幸せを感じた日だから…。