ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


「それが…良くないんだよなぁー」
「どうして?」

あたしは首を傾げる。

「何ていうか…素直になれないっていうか…いつも喧嘩みたいになる…」

翔くんは、ため息を一回ついた。

「気持ち…伝えてないの?」

あたしの問いに対して、頷く。

「あいつに好きとか言うの、一生無理かも…」

いつも女子と気軽に話すことが出来て、あたしにもすぐに告白してきたのに…今、顔を赤く染めて悩んでいる。

一体、翔くんをこんなにする女の子は、どんな子なんだろう。

少し気になりつつも、あたしは微笑んで「頑張れ」と、だけ言った。

「あー…やっぱり、あいつやめて苺先輩にする。苺先輩かわいすぎっ!」
「えっ!?」

思わず後ずさりしたあたしを見て、翔くんは「冗談、冗談」と、言いながら苦笑した。

「でも、マジで西藤先輩とこのままだったら…俺、本当に苺先輩狙いでいくから」

翔くんは背中を、フェンスから離す。

「俺も頑張るからさ…苺先輩も頑張れ」

「うん…ありがとう」

あたしが返事すると、翔くんは安心したように笑って、屋上を後にした。