ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

☆裕也side☆


やべー…遅刻!!
高速で自転車を走らせる。

宿題を見せてもらう側が、遅刻はまずい…。
まぁ、遅刻でそんなに怒るような相手でもないけど。

あの夏祭り以来、なんとなく津田の事が気になっていた。

気になるというか彼女の泣き顔…そしてイチゴ飴を渡した時の笑顔が、頭から離れなくて…。



図書館が見えてくると、図書館の前に小さな人影があった。

津田だ。


近付くにつれ、人影ははっきりしてくる…が、やはり小さい。


「遅れてごめん!」

俺はすぐに謝った。

「え?そんなに遅れてないよ?」

ほら…と、津田は自分の携帯を見せる。

15時4分。
確かに思ったより、遅れてなかった。

自転車ってのは不思議なもので、降りたとたん汗が吹き出す。

タオルで汗を拭きながら図書館へ入る。
図書館は空調が効いていて涼しい。