ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


「分かってたよ。苺がそんなことする奴じゃないってことくらい…。なのに、ごめん」

裕くんの言葉が…ただ嬉しくて、あたしは首を横に振る。

すると、裕くんはあたしを、優しく抱きしめた。

「…裕くん?」

ドキン…ドキン…って、心臓が鳴る。

裕くんの胸からも、同じ音がするのは、同じ気持ちだからかな…。

「分かってると思うけど、俺も間と何もないから」
「うん…」

好きだから…裕くんだから、信じられる。

「ごめんな。もう…泣かさないから」
「うんっ」

“うん”って言いながら、既にあたしは泣きそうだった。

裕くんの優しい温もりは、ドキドキするけど、安心する場所。

少し懐かしい気がするのは…
しばらく、裕くんに触れてなかったからだ。


そう…メグちゃんっ!

「っ?」

いきなり離れたあたしに、裕くんは驚いた顔をする。

「あたしっ…」

あたしだけ、幸せになんて浸れない。

メグちゃんも、裕くんのことが好きで…。
メグちゃんは…。

「もう一人、苺を大切に思ってる奴が居るよ」

「え…?」

裕くんは、まるであたしの気持ちが分かったみたいに、そう言った。

「苺、下駄箱の靴の意味…知ってる?」