“苺ちんなんか大嫌い”
“メグが西藤くん奪うから”
メグちゃんの言った言葉が、忘れられない。
忘れられるはずもないけど、胸が苦しい。
そしてあたしが今居るのは、図書室−…。
あたし、何してるんだろう…。
メグちゃんに「裕くん、裕くんってうざい」って、言われたばかりなのに、裕くんを探してる。
やっぱり、もう帰っちゃったか…。
どこにも裕くんの姿はなくて、あたしは図書室の、閲覧コーナーの椅子に腰かけた。
本当に裕くん裕くんって…
こんなんだから、うざいんだよ。
…分かっているのに。
メグちゃんが、裕くんを好きなのだって知ってた。
知ってたのに…応援してくれてるから大丈夫だと、自己中な考えで、メグちゃんの気持ちから目を逸らした。
ねぇ…どうしたらいいの?
どうしたら許してくれる?
涙が貯まって、口元が震える。
メグちゃんと、ちゃんと話をしなければいけないのは分かる。
だけど、
“苺ちんなんか大嫌い”
ズキンッ
“嫌い”って言葉が、胸に突き刺さって…
メグちゃんと話するのが怖い。
そして、
“メグが西藤くん奪うから”
この言葉に、恐怖を覚えた。
奪われる−…。
それはメグちゃんの宣戦布告。



