ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


“苺ちんなんか大嫌い”

“メグが西藤くん奪うから”

メグちゃんの言った言葉が、忘れられない。
忘れられるはずもないけど、胸が苦しい。

そしてあたしが今居るのは、図書室−…。

あたし、何してるんだろう…。

メグちゃんに「裕くん、裕くんってうざい」って、言われたばかりなのに、裕くんを探してる。

やっぱり、もう帰っちゃったか…。

どこにも裕くんの姿はなくて、あたしは図書室の、閲覧コーナーの椅子に腰かけた。

本当に裕くん裕くんって…
こんなんだから、うざいんだよ。

…分かっているのに。

メグちゃんが、裕くんを好きなのだって知ってた。

知ってたのに…応援してくれてるから大丈夫だと、自己中な考えで、メグちゃんの気持ちから目を逸らした。

ねぇ…どうしたらいいの?
どうしたら許してくれる?

涙が貯まって、口元が震える。


メグちゃんと、ちゃんと話をしなければいけないのは分かる。

だけど、

“苺ちんなんか大嫌い”

ズキンッ

“嫌い”って言葉が、胸に突き刺さって…

メグちゃんと話するのが怖い。

そして、

“メグが西藤くん奪うから”

この言葉に、恐怖を覚えた。


奪われる−…。

それはメグちゃんの宣戦布告。