ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


修学旅行、最終日。

風邪はほとんど治った。熱も完璧に下がって、平熱。

あたしはやっと、みんなと一緒に行動することが許された。

最終日ぐらい楽しみたい…って思ったけど、もう帰るのがメインって感じで、特にイベントなどはなく、ただあたしはお土産を買いあさっていた。


気にかけていたメグちゃんのことだけど、誰よりも早く「苺ちん、おはよぉ♪もう大丈夫なのぉ?」と、声をかけて来てくれて、

その態度は、いつものメグちゃんそのものだったから、安心出来た。

昨日も、あたしを心配して来てくれたみたいで、難しい性格だけど、実は優しい。

だから、そんなに悪い風には、思えないんだけどな…。

あたしは、沖縄限定のお菓子を沢山抱えて、レジに通そうと鞄から財布を探した。

「?」

…と、鞄からある物を見付けて、取り出してみる。

インスタントカメラ…。

いっぱい写真撮りたかったのに、全然撮れなかったや…。
まぁしょうがないよね。

あたしはそれをまた、鞄に戻そうとする。

「苺ちん、いいもの持ってるじゃん♪」
「えっ…」

ひょいっとカメラは奪われて、あたしの手からメグちゃんの手へ。
「撮りに行こぉ♪」

あたしの手を掴んで、メグちゃんは笑いながら言った。