ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


「ねぇ、どこに行くのぉ?」

もう一度、メグちゃんは聞いた。

「ど、どこにも行かないよっ?ねっ?」

あたしは焦って由紀ちゃんに、同意を求めると、

「うん」

由紀ちゃんは頷いた。

よかった…。

「でもぉ、由紀ちん苺ちん引っ張って、どこか連れて行こうとしてたよねぇ?」

メグちゃんは、あまり気にしない性格だから、普段なら「ふーん」くらいで終わるのに、今日は違った。

「ねぇねぇ教えてぇー?」
「あ…えーと…」

あたしは返事に困る。
西藤くんの所って言うと、厄介だし…。

「もぉ、苺ちんのケチーっ。じゃあ、由紀ちん教えてぇ?」

メグちゃんは、由紀ちゃんの腕を触ろうとする…
けど、由紀ちゃんは、それをスルッとかわした。

「関係ないから」
「…」

由紀ちゃんの態度に、メグちゃんはもちろん、あたしもびっくりする。

「…あぁそう。ごめんねっ!」

メグちゃんは怒ったように言い捨てて、走り去った。

「由紀ちゃん…ちょっとひどくない?」

由紀ちゃんの苦手なタイプ…ってことは、わかるけど。

「苺…あの子、気をつけた方がいいよ」
「え…?」
「なんか嫌な感じするから」
「…?」

あたしは何が何だか、さっぱり分からなかった。
確かに、西藤くんを好きっていうのは同じで…ちょっとやりにくい。だけど、それは誰が悪いわけでもない…しょうがないこと。

「ゆ…」
「あら、中野さん。そろそろ自分の部屋に帰ってね」

ちょうど先生が戻って来た。

「はーい」

由紀ちゃんは返事をして、こそっと「聞きに行けなかったね」と耳打ちした。

それを思い出すと、メグちゃんが来てくれて、助かったと思う。

…そういえば、メグちゃんはどうして来たんだろう。

あたしは少し、メグちゃんが心配になった。