「よしっ!じゃあ告っちまえ!」
「えっ!?」
「早く王子んとこ行くよっ!」
あたしの腕は引っ張られる。
「ちょっと待ってよ、由紀ちゃんっ!」
その日の夜…あたしは早速、由紀ちゃんに相談した。
ちなみに今日も、先生と同室。
まあ、そのおかげで、由紀ちゃんと話せているのだけど。
「何ためらってんの!そんなことされたなら、両思い以外有り得ないじゃんっ!」
この前まで、翔くんを推していたのに…って苦笑するけど、いつも由紀ちゃんは、あたしの気持ちに合わせた助言をくれる。
でも…
「告白は出来ないよっ!」
「何で?」
「だって…藤堂先輩と別れたとか、聞いてないし…」
「まさか王子二股っ!?」
「ち!違う!」
あたしは頭を左右に、ぶんぶんと振る。
「何かばっちゃってぇー♪」
由紀ちゃんはニヤニヤと笑った。
「う…」
何となく、西藤くんが悪く言われるの嫌だったんだもん。
「まぁ、告白はないか…」
「うん」
もう告白は出来ない。
もし、西藤くんがあたしのことを想ってくれてるなら、きっと告白してくれると思う。
でも、それはなくて、西藤くんは藤堂先輩と付き合ってるから、あたしが告白したところで、『Yes』の返事は出ないだろう。
1回フラれてるから怖い…っていうのが、1番の理由だけど。
「…どう思ってるのかな」
あたしはポツリと呟いた。
「よし!じゃあそれを聞きに行こうっ!」
あたしのちょっとした呟きを、由紀ちゃんは聞き逃してはくれず、
「早く行くよっ♪」
「嫌だぁーっ!」
ぐいぐいとあたしは引っ張られて、小さいせいかズルズルと進んでしまう。
チビのあたしのバカぁっ!
あっという間に、ドアまで来てしまった。
「苺ぉ、ちゃんと歩かなきゃ行けないよ〜?」
「いいっ!行かないってばぁ!!」
「行くの♪」
ガチャっと音を立てて、由紀ちゃんはドアを開けた。
「…どこに行くのぉ?」
明らかに、由紀ちゃんじゃない声がした。
顔を上げると、あたし達の前に立っていたのは…
メグちゃん。



