ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

♪苺side♪


好き−…

そんな言葉を、あたしは期待していたのかもしれない。

だけど…西藤くんは、それ以上何も言ってはくれなかった。

あたしは、西藤くんの背中に手を回すことも、振り払うことも出来ずに、ただ抱きしめられていた。

翔くんに抱きしめられた時とは、違う。
あたしはすっぽり、西藤くんの腕の中に居て−…

ドキン…ドキン…

聞こえるのは、西藤くんの胸の音?

ドキン…ドキン…

あたしの心臓も、負けず劣らず大きな音を立てている。

どんな気持ちで、あたしを抱きしめているの?

西藤くんの香りは…昨日の夢の香り。

あのキスは、やっぱり西藤くんだと思う。

でも、どんな気持ちでキスしたの?

気になるのに、聞けない。

怖くて聞けない。


ずっとこのまま、こうしていたいと思う反面、胸があまりに苦しくて、離れたいと思う自分もいて…。

頑張って冷静を装っていたのに、こんな事されてしまったら、もう無理だ…。

あたし…どうすればいいの…?


〜♪

「「!?」」

いきなりあたしの携帯が鳴り出して、反射であたし達はぱっと離れた。

着うたは途切れない。

「わっ…わっ!」

あたしは焦って、ポケットから携帯を取り出す。

着信は…

【着信 メグちゃん】