「やっぱり川原くん、由紀ちゃん狙いかぁー」
「多分、そんなんじゃないよ!」
「高校入ってわずか2ヶ月で恋の予感の由紀ちゃんが羨ましいですぅ〜♪」
「もぉ〜苺のばかっ!」
由紀ちゃんは顔を赤らめた。
「苺こそ、好きな人とかイイ感じの人とかいないの?」
「あたしは全くだよー、クラスの男子ともあんま喋った事ないし…それに…」
この背じゃ、誰も女の子としてみてくれない。
「苺はかわいいよ!もう、わたしが苺をお嫁にもらう!」
由紀ちゃんは、あたしの気持ちを察してか、ぎゅーっと抱きしめてきた。
「ありがとう♪由紀ちゃん大好きー♪」
あたしも抱きしめ返した。
あたしだって恋したくないわけじゃないよ。
むしろ…恋したい。
でも、この身長が邪魔をして、どうやっても“友達”から一人の“女の子”として見てもらう事は出来ないんだ。
だから、もう諦めてる。



